LCX(Leaky Coaxial Cable:漏えい同軸ケーブル)とは、同軸ケーブルに電波を漏らすためのスリット(隙間)を 一定間隔で設けることにより、信号を電波として外部に輻射して通信行うためのケーブルです。
安定した受信電界により高密度の情報伝送が可能であることから、鉄道沿線のほかにも、 ビル地下、地下街、地下駅、トンネルなど電波の不感地帯などに幅広く使用されています。
反射物の多い環境や障害物の多い室内でも安定的な通信品質が得られ、ケーブル周辺に通信エリアを限定できるため、 従来の無線LANでは実現が難しかった課題を解決することが可能です。
消防用無線通信補助設備とは、消防活動を行う上で不可欠の指揮・命令系統を無線電波の不感地帯である 地下構造物内においても確保するために、消防法、東京都火災予防条例などで設置を義務づけられている設備です。
地下街・一定規模以上のビルの地下部分・地下にある鉄道の駅・地下駐車場などに設置されています。
非常時(火災・停電時)用の設備として電源を基本的に必要としない構成になっています。
地上基地局と地下移動局間の連絡手段の確保が目的で、移動局間の交信は基本的に出来ません。
運転司令室と列車間の音声・データの通信に利用されています。 列車内の公衆電話の音声もLCXを通して基地局に伝えられ、そこから公衆電話網に接続しています。
私鉄各線や地下鉄に於いても多く利用されていますが、その中でも新幹線は全線に渡り側壁に敷設されています。
LAN・APのアンテナは通常ダイバーシティ・アンテナが付属していますが、 このアンテナ部分をLCXに置き換えたものです。
無線LANの電波障害対策としてLCXを利用する方法です。
工場内・倉庫内などの遮蔽物の多い場所でLAN、POSなどが無線で利用できるようになります。
無資格・無免許で利用出来る微弱無線局を利用して行うミニFM放送設備で、 LCXをアンテナとして利用することによる、特定のエリアに限定した、特定用途向けの放送設備です。
実例としては自動車レースの実況中継用・地下駐車場に於ける運転手の呼出用などに利用されています。